正月も過ぎた暖かい日でした.
老婆は私に「今日は良い日和ですね」と声をかけ,麦踏みを始めた.
九州の平野部は,日本を代表する穀倉地帯.夏はイネ,冬は麦を栽培するところが多い.
年明けの頃から出芽した麦を踏みつけ,根を強くする.
「今年もお元気でなによりです」と小声で答えた.
普段見られる麦踏みは,下の写真のようにローラーを使う.
おかげで作業は見てる間に終わる.
しかし,老婆は晴れた日を選んで二・三日かけて1枚の畑を踏む.
長さ30mほどの畑を行って帰ってくるのに数分は有にかかる.
それでも音を上げずに踏み続ける.
一往復すると,さすがに疲れたのか道端に腰を下ろし,一休み.そして,また麦を踏む.
畏敬の念がこみ上げてくる.
はたして,私は老婆の年までバニラを作ることができるだろうか?
老婆が麦を踏まなくても,年のいった息子がローラーをかける.
しかし,私がバニラを作り始めて毎年同じ風景が繰り返されている・・・・・・・.
こんな九州の農村地帯で,今バニラが作られています.
バニラ作りが九州で当たり前になり,腰の曲がった私が,いつまでもバニラを
見守ることができたらなんと素晴らしいだろうか! T.M
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